キャンプ初心者の方はもちろん、そうでなくても、ランタンを選ぶのって悩みますよね。
明るさは「ルーメン(lm)」という単位で表されますが、いまいちピンと来ないと思います。
通販では明るさを試すことはできませんし、サンプルのある店頭であっても、周囲が明るいのであまり参考になりません。
光量の高いランタンを試運転してみても、「うわっ、まぶしっ!」となるだけで、キャンプでどれくらい明るくなるのかは分かりません。
そこで、今回は「ルーメン(lm)」という明るさについて、キャンプで実用レベルかどうかを解説します。
なお、あくまで経験則に基づいた見解ですので、個人によって感じ方が違う可能性もありますので予めご了承ください。
また、照らす空間の大きさによっても異なるため、一般的なファミキャンサイズの空間を想定しています。
そもそもルーメンとは?
ランタンの商品説明を見ると、よく「明るさ:100ルーメン(lm)」といった記述を見ます。
ルーメンとは、次の通り明るさを表す単位です。
ルーメン(Lm)とは、光源から放たれたすべての光「光束」の量を表す単位です。
カンデラ(cd)とは、光源から出る光の強さ「光度」を表す単位です。 照らす範囲の一番明るい箇所の数値です。
ルクス(Lux)とは、照らされた場所に、どれだけ光が入っているかを表す「照度」の単位です。
出典 : CATEYE
私のブログでは、ランタンのスペックを紹介する時に「光量」という言葉をよく使いますが、厳密にはルーメンは「光束」を表す単位です。
光の単位は色々ありますが、「照明器具そのものの明るさ」を示す単位はルーメンが基本となります。
ダイニングテーブルの電球一つで500〜800ルーメン(lm)程度
ルーメン(lm)が明るさの単位だとしても、どれくらいのルーメンが適切なのか、よく分かりませんよね。
一つ目安となるのが、ダイニングテーブルの電球の明るさです。
ダイニングテーブルの電球は、一般的にはおよそ500〜800ルーメン程度のものが多いようです。
複数個設置するタイプほど明るさが小さく、一つだけ設置するタイプほど明るさは大きくなります。
▲Panasonicのダイニングライト。明るさは547ルーメン。
もちろん商品によって明るさは違い、1,500ルーメンのものもあれば300ルーメンのものもあるかもしれません。
あくまで感覚を掴むための目安だと考えてください。
しかし800ルーメン程度あれば、相応の明るさであることは分かります。
ただし、800ルーメンあっても、ダイニングの電球1つでリビング全体を明るくすることはできないように、狭い空間(ここではダイニングの下)を照らす力しかないことが予想できます。
メインランタンとして使うなら1,000ルーメン以上
メインランタンとは、それだけで空間を照らすことを目的として使用する光量の強いランタンです。
この目安は1,000ルーメン、可能であれば1,200ルーメンくらいあるとベストです。
1,000ルーメンを超えるLEDランタンは少なく、また暖色(オレンジ色)ではなく白色のことが多いです。
白色のランタンは暖色と比べて落ち着かず、キャンプの雰囲気に合いません。
そのため、メインランタンとしては一つガスランタン等を用意しておくことをおすすめします。
私が使用しているノーススター2500は1,543ルーメンの明るさがあり、キャンプをしていて「暗い」と思ったことは一度もありません。
▲Colemanのノーススター。これ一つで周囲を照らせる強い力がある。
逆に出力MAXにすると「明るすぎる」とさえ感じたことがあるので、1,543ルーメンは私のタープのサイズでは少しオーバースペックなくらいの強さです。
一般的なキャンプであれば、これ以上明るいランタンは必要ないのではないかと思います。
スポンサーリンク少し暗めの空間で楽しむ場合は500ルーメンでもメインランタンになる
ソロキャンプや少人数で落ち着いたキャンプを楽しむ場合は、500ルーメンもあればメインランタンとして使用できます。
500ルーメンあれば、ダイニングテーブルの灯り一つくらいの力はあります。
ランタンは少し暗めの方が焚き火の炎が綺麗に見えますし、あまり大それた料理をしないのであれば、そこまで強い明るさは必要ありません。
私が持っているGENTOSのSOL-013Cは530ルーメンの明るさがありますが、ソロやデュオであればこれだけでもキャンプができる明るさです。
530ルーメンのLEDランタンは、「薄暗い方が雰囲気があって良い」くらいの感覚であれば、メインランタンとしても使用できると思います。
▲左から2番目が530ルーメンのSOL-013C。右から、20lm、250lm、380lm、530lm、800lmとなっている。
ただし、子供もいるファミキャンで使うには、少し心許ないと思います。
参考記事 : 530ルーメンのSOL-013Cはメインランタンとして使えるか?
サブランタンなら300ルーメン以上推奨
サブランタンとは、手元やその周辺の明るさを補うための、補助的なランタンです。
メインランタン1つでは影ができてしまい、キャンプをする上でとても不便なため、サブランタンには影を消すという重要な役割があります。
参考記事 : ランタンはどこに置くのが適切?レイアウトと設置方法を解説
本物の火を扱うガスランタンは光量が大きい反面、マントル等の消耗品を必要とし、メンテナンスも手間がかかります。
そのため、サブランタンはLEDランタンにすることをおすすめします。
サブランタンの明るさの目安は300ルーメン程度です。
380ルーメンのLEDランタン(SOL-036C)は、現役のサブランタンとして活躍してくれており、スペックにも満足しています。
▲雨の夕方にSOL-036Cを灯した様子。防水性能があるため、安心して使える。
先ほどと同じ写真になりますが、左から3番目がSOL-036Cです。
▲真ん中がSOL-036C。 小型なため、常に持ち歩いているランタンでもある。
スポンサーリンク200ルーメン以下は明るさには期待しない
100ルーメン、200ルーメンというランタンもありますが、これらは置き型のランタンに多いです。
置き型のランタンはその周囲や手元だけを照らす目的のため、そこまで強い光は必要ありません。
200ルーメン以下の明るさのランタンは空間を照らすような働きは期待できません。
ランタンの周囲だけをスポットで照らすか、もしくは装飾目的の使用であることが多いでしょう。
ただし、テント内のランタン等としては使用できるかもしれませんし、ソロキャンプ用の小型のテントであれば、200ルーメンもあれば十分な場合もあります。
複数設置すれば光量が少なくても問題ない
私のおすすめはメインランタン1つ、サブランタン1~2個設置、というものですが、ランタンの数を増やせば、メインランタンがなくても快適に過ごせます。
目安として、300ルーメン~500ルーメン程度の明るさのランタンを4〜5個設置すれば、十分な明るさが確保できます。
参考記事 : ランタンはどこに置くのが適切?レイアウトと設置方法を解説
設置したランタンで空間をどこまでカバーできるかが問題なので、ランタンの周辺しか明るくなくても、複数設置すれば対応できます。
ただし、タープが大きくなり、照らす空間が広がれば広がるほど、必要とされるランタンの個数も増えるのでご注意ください。
とは言え、裏を返せば照らす範囲を狭くすればもっと少ないランタンで十分に照らすことも可能です。
天井のランタンは重要
ランタンを設置する上でおすすめなのが、天井部分に設置するランタンです。
これは私も最近思いついた方法ですが、あまりの快適性に驚きました。
メインランタンを設置する場合も役に立ちますが、そうでない場合は特に重要です。
光の弱いランタンでも周囲は明るくなるように、ランタンに近ければ弱い光量でも十分明るくなります。
とは言え、ランタンスタンドを近くに設置するのは邪魔ですし、それが複数個となればなおのことです。
しかしタープやキャノピー等の天井部分に設置すれば、邪魔にならず、且つ影をうまく消す形で設置できます。
▲タープの天井に設置した様子。方法は下記参考記事を参照。
これがあるだけでかなり快適性が増すので、ぜひ下記の記事を参考にしてみてください。
参考記事 : テント内・タープ下へのランタン設置方法!吊るす場所がない場合は?
感想、まとめ。ルーメンを参考にランタンを選ぼう!
アウトドア用品店で実際にランタンを触ることができても、明るさまで確認することはできません。
特にインターネット通販が発展してきた近年では、実際に試さずに購入する機会も増えてきました。
そのため、スペックとして記載されている明るさ「ルーメン」は、ランタンを検討する上で重要な数値となります。
今回は私の経験則に基づく目安として、ランタンに適したルーメン値を例示させていただきました。
この基準はキャンプスタイル(人数や嗜好)によっても異なりますし、持っているギアによっても異なります。
また、日常生活でも同様ですが、どのような明るさを「眩しい」と感じるかも、人によって異なります。
そのため、必ずこの値が正しいわけではありません。
参考にはなると考えていますが、失敗しながら、自分の経験を高めていくのもキャンプの醍醐味です。
もし暗すぎるランタンを購入してしまったら、それが何ルーメンだったのかをしっかりと確認し、次に活かしてもらえればと思います。