キャンプでエアコン(クーラー)を使うことはできるのか?

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記録的猛暑が続き、ニュースでも熱中症対策は騒がれています。

こまめに水分補給をすることはもちろん、寝る時にはクーラーをつけて脱水を防ぎましょう!と言われています。

寝ている間に大量の汗をかき、気づかないうちに脱水症状になっていることがあるからです。

暑くて眠れないイメージ

 

でも、キャンプの時ってテントの中はかなり蒸し暑くなるし、エアコンも使えないですよね?

いや、エアコンを使えないというのは勝手に決めただけで、もしかして使えるのかも?

 

ということで、考えてみました。

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キャンプでエアコンという発想

キャンプでエアコンを使うという発想自体は、それ程奇抜なものではありません。

特に、「寝る時にエアコンをつけないと、知らぬ間に脱水症状になる危険も」なんて言われているこのご時世では、誰しもが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

冬キャンプの電気ストーブのようなもの

冬キャンプでは、電源サイトを使って、電気ストーブや石油ファンヒーターを使用する人もいます。

 

夏に扇風機、そしてエアコンというのは、発想としては同じです。

電気の力を使って、気温や湿度による不快感を解消しよう、という発想です。

電気ストーブをつける

 

冬キャンプであれば薪ストーブや石油ストーブで暖をとることができますが、夏キャンプは限界があります。

冷たいスカーフを首に巻いたりすると涼を取れますが、焼け石に水です。

ウィンドスカーフという、風の力を借りて首元を冷やすものもあるようですが、なんとも言えないですね。

そんなのキャンプじゃないのでは?という意見も

外に家電製品を持ち込むなんて、そんなのキャンプじゃない!

そもそも電源サイトもキャンプじゃない、キャンプは不自由を楽しむものなんだから、家でやれよ!

という議論は、ネット上でよく見ます。

 

このクーラーの記事なんて、反対派の人からすれば、その典型例でしょう。

 

ただ、私に正解不正解を決める権利があるわけではないので、ここではその議論は割愛させていただきます。

ここでは便宜的にキャンプという言葉を使わせていただきますので、それだけは悪しからずご容赦願います。

持ち運べるエアコンはあるのか

さて、キャンプでエアコンを使うのであれば、持ち運べる必要があります。

果たして、持ち運べるエアコンなんてあるのでしょうか?

 

家のエアコンを見ると、本体の他に室外機がついていますよね?

あんな大きさになってしまっては、とてもじゃないけどキャンプに持っていくことはできません。

太陽で溶ける氷

スポットクーラー

「持ち運べるエアコン」と聞くと、先ず思い浮かぶのはスポットクーラーです。

私もまずこれが思い浮かびました。

 

工場やちょっとした工事現場のような場所に置いてあるイメージです。

被災地支援でも活躍しましたね。

上記のもので、重量22kg、値段60,938円

高さ675mmなので、大きい車なら積めないこともなさそうです。

 

ただ、22kgのものを運んでキャンプとか、あまり現実的ではありません。

不可能ではないギリギリラインではあると思いますが。

いや、不可能か・・・。

電源式ミニエアコン

電源式のミニエアコンというものもありました。

これは高さ400mm以下なので、サイズの観点ではスポットエアコンよりも現実的です。

出力は0.95kwなので、冷却能力的には3畳くらいが最大と思われます。

 

少人数キャンプなら大丈夫ですが、ファミリーキャンプでは少し厳しいです。

電源式のミニエアコン

画像出典 : コイズミダイレクト

ただ、重さは19.5kgあります。

なかなかに厳しい重さです。

 

そしてお値段がなんと213,840円

中古の軽自動車くらい買えちゃいます。

キャンプのためだけにこれを買うのは、相当のお金持ちでなければ現実的ではありません。

バッテリー式ポータブルエアコン

やはりキャンプで使うのであれば、バッテリー式でしょう。

駆動時間はフル充電で約5時間です。

バッテリーは短いですが、重さは約4kgといい感じです。

 

ただ、出力は0.322kwなので、1畳分くらいが限界でしょう。

ソロキャンプなら、それなりの効果があるかもしれません。

ポータブルエアコン

画像出典 : コイズミダイレクト

ここまでは使い方によっては悪くない感じですが、お高いんでしょう?

そう、お高いんです。

 

お値段なんと159,840円

無理です。

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水冷式扇風機が無難

やはりエアコンは値段や持ち運び的にもかなり厳しいです。

そうなってくると、やはりエアコンを持っていくのは困難で、水冷式の扇風機が限界でしょう。

下記のようなポータブルのものであれば、使い勝手も良さそうです。

なお、商品名に「エアコン」と書いてあるものもありますが、これはどう考えてもエアコンではありません。

エアコンは「エアー・コンディショナー」の略なので、condition(=調節)できなければエアコンとは言えません

 

調節とは、室温を意図する温度に変えたり、湿度を下げたり、と言った具合です。

もちろん全てができる必要はありませんが、水で冷やされた空気が出るだけでは、単なる冷風機です。

AC電源サイトなら使えるか?

値段や重量の観点から、正直現実的ではないですが、無理をすればキャンプでエアコンは使えるのでしょうか

無理をすると言っても、20万円はぶっ飛びすぎですし、そもそも満足する出力が出せません。

また、バッテリー式のエアコンは便利なのですが、5時間しかもたないのも少し不便です。

 

そうなってくると、やはり快適性を実現するにはスポットクーラーでしょうか。

重量は気合で何とかするとして、車に積みさえすれば、涼しく快適なキャンプは可能なのでしょうか。

氷の画像

 

しかし、実際にキャンプ場で使うためには、電源が必要になります。

ポータブルの電源でスポットクーラーを稼働させるのは無理があるので、AC電源サイトか車のシガーソケットが現実的です。

その際は2点注意が必要です。

電源サイトのアンペア数を超えないようにする

電源サイトで使用するのが一番現実的のように感じるかもしれませんが、AC電源サイトには最大アンペア数が設定されています。

電源サイトの差込口

 

これはキャンプ場毎に異なりますが、このアンペア数を超えないように使わなければいけません。

これを超えるとブレーカーが落ちる可能性があります。

リンク :電源サイトの使い方!最大アンペアを確認して快適なキャンプを!

 

スポットクーラーの出力を見ると、高いものでも1,500ワット程度なので、これを使うだけでは超えないはずですが、キャンプ場によりけりです。

まさか夏場にクーラーガンガンで使われるとはキャンプ場も想像だにしていないので、予期せぬ事態が発生しないか注意も必要です。

騒音に注意

車のシガーソケットを使用する場合、エンジンをつけっぱなしにすることになります。

そうすると、車にもよりますが、当然ながらエンジン音が迷惑になる場合があります。

エンジン音が静かな車なら、昼間は問題ないかもしれませんが(もちろん配慮しながらキャンプ場のルールに従う)、夜中は絶対にNGです。

渋滞の様子

シガーソケットで発電するタイプでは、結局夜に使えないので効果半減です。

 

また、たとえ電源サイトだったとしても、クーラー本体の騒音があります。

実際、最新のスポットクーラーがうるさいかどうかはよく分かりませんが、静かな様子が想像できません。

製品のスペックにもよりますが、その点も注意が必要です。

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まとめ。キャンプでエアコンは、まだ庶民には早かった

真面目に色々書いてきましたが、結論としては、キャンプでエアコンを使うのは時期尚早だと言うことが分かりました。

高額なコンパクトなクーラーを買って、気合いで車に積み込み、そして平日にガラガラなキャンプ場を予約すれば、使えないことはないかもしれません。

しかし少なくとも、一般ファミリーキャンプでなせる技ではありません。

 

しかし、小型で静かな、キャンプで使えるエアコンが登場すれば、売れることは間違いありません。

経済は技術を成長させます。

ということで、昨今のキャンプブームの高まりを受けて、「片手で持ち運べるエアコン」が登場する日も近いかもしれません。

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