これまでいくつか、有名なキャンプメーカーの歴史や企業概要をご紹介してきました。
コールマンやスノーピークから始まり、有名どころから攻めていっているつもりです。
次は根強いファンが多い、キャンパルジャパンをご紹介します。
画像出典 : キャンパルジャパン
リンク : キャンプと言えばこのメーカー!コールマンの歴史と現在の企業概要
リンク : スノーピーク(Snow Peak)ってどんなブランド?歴史と企業概要!
あれ、ちょっと待った、キャンパルジャパンって何でしたっけ?
では、小川キャンパルと言えば分かるでしょうか。
小川テントと言った方がしっくりくる人もいるかもしれません。
そもそも、なぜ人によって様々な呼び方があるのでしょうか?
どの呼び方が正しくて、どの呼び方が誤りなのでしょうか。
キャンパルジャパン(ogawa)の企業概要
呼び方の違いを探るためには、まずはキャンパルジャパンがどんな企業か知る必要があります。
企業概要からご紹介させていただきます。
所在地 | 東京都江東区南砂2-36-10 光陽ビル4F |
資本金 | 7,200万円 |
設立 | 2015年3月24日 |
大手キャンプメーカーでは珍しく、東京に本社を置く会社です。
日本のキャンプメーカーは新潟やら大阪やらに本社を置く会社が多いので、逆に東京本社の会社が少なかったりします。
もともとはキャンプやアウトドアとは関係のない業界で、高い技術力を誇った企業が多いからです。
主として高い金属加工技術からキャンプ用品を作る企業が多いようです。
なお、ogawaの場合は金物ではなく、繊維加工に高い技術力がある会社です。
なお、ここで注目していただきたいのが、設立年です。
キャンパルジャパンの設立は2015年と、実は最近できたばかりの会社なのです。
小川治兵衛商店が小川テントに
キャンパルジャパンの場合は、小川治兵衛商店という商店から始まりました。
その頃から業務用(軍事用)としてのテントを作っていたという噂もありますが、少なくとも公式サイトによれば、はじめて「小川テント」としてレジャー業界に進出したのは、1946年のことでした。
はじめに売り出したのはリュックサックだったんですね。
1950年にはフランスの企業とアライアンスを組み、フランス・インドをターゲットにしたテントの販売を開始しました。
その後は小川テントとして、ノウハウを活かして数々のテントを世に排出してきました。
ogawaブランドとしての最初に有名になった会社は「小川テント」だったというわけですね。
そのため、20年以上前からogawaブランドを楽しんでいる人には、「小川テント」という名前の方がしっくりくるのかもしれません。
画像出典 : キャンパルジャパン
スポンサーリンク2000年、独立分社化して小川キャンパルへ
2000年になって、小川キャンパルは小川テントから独立分社化しました。
この時に何があったのかは詳細には分かりませんが、色々と想像してしまいます。
もし独立分社化までのエピソードを詳しく知っている方がいましたら、コメント欄にて教えていただけると幸いです。
独立分社化後も小川キャンパルの関連会社として残り、様々な事業展開を試みた小川テントですが、2011年、約38億3,800万円の負債を抱えて東京地裁に破産申請をします。
この頃にキャンプが好きだった方は、「小川キャンパル」という名前の方がしっくりくるかもしれません。
小川キャンパルはうまくogawaブランドの品質を継承し、多数の人気テントを世に排出しました。
画像出典 : キャンパルジャパン
私もこの時期の印象が強いので、小川テントよりもどちらかと言うと小川キャンパルの方がしっくりきます。
しかし、そんな小川キャンパルも、なかなか思い通りにはいきません。
2015年、倒産によりキャンパルジャパンに事業譲渡
小川キャンパルとして高品質のテントを展開するも、世の中は厳しく、小川キャンパルは2015年に倒産します。
2011年に倒産した小川テントに対する売掛金約4億が焦げ付いたのが最大の影響と言われています。
もちろんそれ以外にも、円安の影響や関連会社の倒産等もあるようですが。
倒産時の負債総額は約6億1,137万円。
小川キャンパルの事業はキャンパルジャパンへ譲渡されます。
現時点ではこの期間が長いので、「小川キャンパル」と言う名前が一番しっくり来る、という方が最も多いと思います。
事業を継承したキャンパルジャパンは社名に「小川」という名前がついていないので、違和感がある方も多いのでしょうか。
ogawaのブランドは受け継いでいるので、これからも変わらず「ogawaのテント」という呼び方をされていくことになるでしょう。
スポンサーリンク根強いファンの多い会社
ogawaのブランドはご紹介のとおり歴史が古く、根強いファンが多い会社です。
値段は高いですが、高品質のテントで、一度使わせたら顧客を離さない魅力があります。
どちらかと言うとスノーピークのような戦略なのかもしれません。
しかし、スノーピークと決定的に違うのは、ogawaはテントに特化したブランドだと言うことです。
ogawaが発売するテント以外の関連商品は、シェラカップやマグが少しあるくらいでほとんどありません。
また、たとえ高品質だったとしても、値段が高いとなかなか手を出しにくいのが正直なところです。
その点、スノーピークは自社の直営店に様々な関連商品を置き、face to faceのアドバイスを交えて販売を行っていきます。
顧客を囲い込む各種イベントやポイント制度も充実し、スノーピーカーと呼ばれる熱狂的なファンもいます。
これまでのogawaブランドは、商品の品質はともかく、経営的な部分では遅れを取ってきたと言わざるを得ません。
高品質・高価格という路線は、多種多様なキャンプメーカーが濫立する現在、これからは更にキャンパルジャパンの経営センスが問われるかもしれません。
まとめ。更なる活躍を期待したい日本のキャンプメーカー!
小川テントか、小川キャンパルか、キャンパルジャパンか。
どれも同じogawaブランドですが、倒産と事業継承の歴史により、様々な呼び方があるのです。
現在の社名としては「キャンパルジャパン」が正解ですが、「オガワ」という名前がついていないので、社名で呼ぶ人は少ないと思います。
これからはogawaブランドとして、社名は問わず呼ばれていくことになるかもしれません。
日本国内でのキャンプ人口の増加に伴って、様々な新興キャンプメーカーや外資キャンプメーカーが上陸してきています。
インターネットで様々な情報を手に入れ、どんなブランドの商品でも自由に買えるようになりました。
小売店も自社のプライベートブランドを展開し、競争は更に激化していくことは間違いありません。
新しくキャンパルジャパンに引き継がれたogawaブランドですが、ここが正念場かもしれません。
歴史ある日本独自のキャンプブランドですので、ぜひおと応援したいところです。