キャンプで必ずと言っていいほど出るのが洗い物です。
ハイシーズンのチェックアウト直前なんかは、炊事場もかなり混雑しますよね。
片付けは思う存分キャンプを楽しんだ代償と思っていますので、しっかりと丁寧にしてあげてください。
しかし、洗い物をする際に気になるのが洗剤の種類です。
洗剤は種類によって成分が異なるので、洗浄力等も変わってきます。
しかし、洗浄力という点と同時に、自然の中で使う以上は、環境に配慮したエコな洗剤を使うことも大切です。
可能な限り、植物系洗剤を使おう
キャンプで使う洗剤は、可能な限り植物性(オーガニック)の洗剤を使用するようにしましょう。
植物性洗剤は自然にある成分で作られているため、環境に優しいとされています。
キャンプ場によってはこういった植物性の洗剤以外の使用を禁止しているところもあり、携帯していない場合、食器類を洗えない場合もあります。
そのため、植物性の洗剤を一つは持ち歩くようにしましょう。
また、自宅で洗剤を使用する分には、有害成分はほとんど下水で除去されますが、山奥のキャンプ場等ではこの限りではありません。
下水道の整備がしっかりとされていない場合、合成洗剤の有害成分が除去できず、環境汚染に繋がります。
そのため、キャンプ場でルール化されていなくても、可能な限り植物性の洗剤を使用するようにしましょう。
植物性のオーガニック洗剤で最も有名で人気なのが、カエルのロゴでお馴染み、「Frosch(フロッシュ)」です。
ドイツ生まれの洗剤で、オーガニック洗剤にもかかわらず、洗浄力が高いのが売りの洗剤になります。
やはり界面活性剤を使用した洗剤よりは、どうしてもオーガニック洗剤は洗浄力が落ちがちですので、その中でも洗浄力が高いことは重要です。
もちろん、フラッシュの他にも植物性の洗剤は存在します。
フロッシュは洗浄力が高いことで人気ですが、これ以外の洗剤でも問題ありませんので、自分の好みの香りを探していただければと思います。
ちなみにこのアルマウィン(AlmaWin)の洗剤は楽天市場やamazonでも評価が高いです。
(私は使ったことはありませんが。)
界面活性剤は有毒
キャンプ場で植物性のオーガニック洗剤が推奨されているのは、合成洗剤の成分「界面活性剤」に原因があります。
界面活性剤は洗剤の洗浄力を高める重要な物質ですが、自然にはない物質で、有毒であるとされています。
その毒性はカフェインよりも低く、大量摂取しない限り、人体への影響は軽微とされていますが、自然界の動植物にはその限りではありません。
そのため、自然に垂れ流しにすると、当然ながら環境破壊に繋がります。
界面活性剤は日本の経済成長と共に頻繁に利用されるようになり、ABS(分岐アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)と言う界面活性剤の一種が、環境に甚大な被害を与えました。
画像出典 : 経済産業省
界面活性剤は自然にはない物質ですが、微生物によって分解されます。
しかし、それには長い年月がかかることから、環境への被害は大きいです。
最近の界面活性剤は下水道でほぼ除去される
最近の界面活性剤は技術の進歩により、かつてほど環境への悪影響は少なくなってきていると言われています。
日本界面活性剤工業会では次のように発表しています。
全ての品種で環境濃度は無影響濃度をはるかに下回っています。このことから、これらの界面活性剤による環境への悪影響は生じにくい(リスクは低い)と考えられます。
出典 : 日本界面活性剤工業会
界面活性剤を販売する側の立場からの発言になりますので、鵜呑みにするのは良くないですが、公式発表ですので参考にはなります。
また、環境規制の厳しい現代においても、普段日常生活では普通に界面活性剤入りの洗剤が使われていることからも想像がつく通り、界面活性剤はほとんどが下水道処理施設で除去されます。
例えば、大都会横浜市の水再生センターからは次のとおり発表されています。
横浜市水再生センターにおける測定結果では、平成13年度の陰イオン界面活性剤の濃度は、流入下水で1リットルあたり平均2.1mg、放流水では不検出(0.03mg未満)であり、除去率は98%以上となっています。
また、非イオン界面活性剤については、平成12年の調査結果では、流入下水で1リットルあたり平均2.9mg、放流水で平均0.028mgであり、除去率は99%となっています。
(中略)
このため、現在のような洗剤の使用状況であれば、ほとんどが水再生センターで除去できるものと考えられます。
出典 : 横浜市水再生センター(現在はリンク切れ)
現在の日常生活における洗剤の利用量であれば、横浜市の水再生センターでは、界面活性剤の約98%〜99%除去されている、とのことです。
だからと言って大量に使用していいわけではないですが、下水設備がしっかりと整っている高機能キャンプ場であれば、家庭用洗剤でも大きな問題はないと言えます。
とは言え、外観から下水施設がどうなっているか分からないので、判断に迷う場合は管理人の方に界面活性剤入りの洗剤を使用しても良いか聞いてみるのも良いでしょう。
基本的には、分からない以上は植物性の洗剤を使うようにした方が無難だと思います。
また、キャンプ場の中には排水をキャンプ場内で処理している場合もあり、界面活性剤が環境に悪影響を与える場合もあります。
寧ろ山奥のキャンプ場の多くがこう言ったタイプかもしれません。
キャンプ場によっては明確に「界面活性剤入りの洗剤の使用禁止」と書かれているところもあり、その場合は必ずオーガニック洗剤を使用するようにしましょう。
また、そう書いていないキャンプ場でも、環境への影響が少なからず懸念される以上は可能な限りは植物性の洗剤を使用したいところですよね。
(追記)
厳密に言うと、オーガニック洗剤でも、植物由来の界面活性剤は使用されているようです。
環境への悪影響は当然オーガニック洗剤の方が少ないですが、界面活性剤が入っていない洗剤というのは存在しないようです。
(キャンプ場のオーナーも正確には理解されていない場合もあります。)
界面活性剤がNG=洗剤がNGということになりますので、「食器洗い用石鹸」等でなければ使用できないことになります。
スポンジは硬めが便利
キャンプで出る汚れは焦げ付いていたりして、なかなか落ちにくい場合が多々あります。
そのため、スポンジはなるべく硬いもので、ゴシゴシと力強く擦っていきましょう。
スポンジは100円均一で、5個100円くらいで売っています。
傷つきやすい食器類を洗う場合は柔らかい方が良いですが、キャンプで傷つきやすい食器類や調理器具を使うのはそもそもおすすめできません。
屋外で使用する以上は落とすこともあれば、傷つくこともあります。
そのため、基本的に割れやすい食器、傷つきやすい食器はあまり使わない方が無難です。
大手キャンプメーカーのギアは大抵頑丈に作られているので、硬めのスポンジでゴシゴシ擦っても問題ありません。
金たわしを持っていると便利
そして持っていると便利なのが金たわしです。
こちらもスポンジ同様、100円均一で簡単に手に入ります。
キャンプではギアを焚き火に当てたり、炭火の超火力で料理を焦がしてしまうこともあるでしょう。
こういった場合、家庭では付かないような強烈な煤や汚れがこびりつきます。
そんな時は、硬いスポンジよりも更に硬い金たわしでガリガリ削り落とすのがおすすめです。
焚き火に直に当てているステンレス製のギアや、ダッチオーブン等はそう簡単には傷つきませんのでご安心ください。
寧ろ煤や汚れのつき方によっては、金たわしでも落としきれないことすらあります。
そういう時は汚れも勲章だと思って、ある程度で諦めるのも一つの選択肢です。
スポンサーリンク100均の容器でひとまとめにしよう
キャンプで使う洗剤やスポンジは、一纏めにして収納しておくと便利です。
容器は何でも良いですが、個人的には100円均一で売っているシューズケースがおすすめです。
100円均一に行って、スポンジと一緒に容器も買ってしまうのが良いでしょう。
シューズケースは靴を入れられるように作られているため、奥が深いのが特徴です。
そのため、分厚いスポンジや洗剤を入れても問題ありません。
シューズケースは大抵蓋がついているので、上に重ねることができ、車への積み込み等も簡単です。
また、中に水分を含んだスポンジを入れる可能性があるため、そういう意味では蓋つきのケースを探すようにしましょう。
リンク : キャンプの小物整理に、100円均一のシューズケースが便利!
スポンジはハンギングドライネットで乾かしてから!
洗剤やスポンジを入れる容器は蓋つきのものにしておけば、スポンジ等を多少湿ったまま入れても、溢れることはありません。
しかし、湿った状態は衛生面ではあまり良くないので、家に帰ってから乾かすようにしましょう。
湿ったまま蓋を閉めて、次回キャンプまで放置するとカビが生える危険性もあります。
しかし、いざキャンプから帰るとすっかり忘れてしまっていたり、片付けるのが面倒だったりします。
そのため、可能な限りスポンジはキャンプ場で乾燥させてください。
スポンジは風通しの良いところに置けば簡単に乾くので、ハンギングドライネットがおすすめです。
ハンギングドライネットは吊るして食器を乾燥させるもので、最下層にスポンジを入れるのに適したポケットがあります。
洗った食器と一緒にそこに入れて吊るしておけば、簡単に乾かすことができます。
なお、水分が多いと乾きにくいので、スポンジはしっかりと絞っておくことが大切です。
リンク : キャンプの洗い物に!コールマンのハンギングドライネットで食器を乾かそう
大型容器で一気に洗い物を持っていくと便利!
キャンプ場で洗い物をする際、一つずつ手で運ぶのは面倒なので、一つ大きなカゴ(コンテナ、ボックス)を持っておくと便利です。
カゴの中には水を入れておき、使った食器を次から次へとそのカゴに入れていきます。
すると、使い終わった食器類でテーブルの上も散らかることもないですし、洗い物も簡単です。
いざ洗う時は、既に水に浸かっている食器類を洗剤と一緒に炊事棟に持って行って洗うだけです。
また、キャンプで作る料理は普段よりも油汚れが強いものも多く、お湯が出ないキャンプ場や炊事棟の小さいキャンプ場では持ち帰るのも選択の一つです。
洗い物のコンテナは蓋つきのものも売っているので、そう言ったタイプであれば車を汚さずに家に持ち帰ることができます。
洗い物の量にもよりますが、私は少人数のキャンプでは持ち帰って洗うことの方が多いかもしれません。
リンク : キャンプの面倒な洗い物は、折りたたみバケツで家に持ち帰ろう!
少量ならウェットティッシュ等で拭き取ってしまうのも手
ソロキャンプ等、少量の食器類しか使わない場合は、ウェットティッシュ等で拭き取ってしまうことも可能です。
ウェットティッシュで一度拭き、その後キッチンペーパー等で拭き取ります。
その際は極力除菌ができるウェットティッシュを使用するようにしましょう。
また、ウェットティッシュはそのまま捨てられるので非常に便利です。
しかし、本来食器を洗う(拭く)ために作られているものではないので、油汚れ等の除去には限界があります。
そのため、万能な方法ではなく、作った料理や汚れによって使い分けが大切です。
スポンサーリンクまとめ。洗剤を上手く使ってエコで便利なキャンプライフを!
今回は界面活性剤の使用とスポンジ類について書かせていただきました。
色々なサイトを読んでみても、現在の技術における界面活性剤の、環境への影響については諸説あるようです。
今でも界面活性剤は環境汚染をしている!と言う人もいれば、環境規制の厳しい現在の界面活性剤は分解される!という人もいます。
専門家ではないので私は引用するに留め、解答に言及することは致しません。
そのため、キャンプ場のルールと最低限のマナーを守っている限りは、私がどうこう言う立場ではありません。
(キャンプ場の売店で家庭用洗剤が売っていることもありますしね。)
しかし、オーガニック洗剤の方が界面活性剤の入った合成洗剤よりも環境に優しい、と言うことだけは紛う事なき事実です。
自然を楽しむ者としては、可能な限り環境に優しいものを使いたいですよね。
また、「界面活性剤入りの洗剤禁止」としているキャンプ場が事実存在している以上は、植物性の洗剤も持ち歩いておく必要があります。
しかし、植物性の洗剤は洗浄力が低くなりがちで、且つ値段が高いので、合成洗剤と両方持っておき、キャンプ場の場所や状況に応じて上手く使い分けることが大切です。