チタンマグと言えば、誰もが思い浮かべるのがスノーピークのチタンマグです。
柔らかい口触りに加えて高い保温力、鉄臭さのなさ等、チタンマグには魅力的な点が多々あります。
スノーピーク製品以外にもチタンマグは存在しますが、写真等でも良くみるのがスノーピーク製だと思います。
シンプルなデザインにスノーピークのロゴが映え、写真写りが良いのも特徴でしょう。
色々な写真を見ているとチタンマグをシングルバーナーで加熱している様子が写されていますが、本当に直火にかけて良いのでしょうか。
チタンマグの製品情報
そもそもチタンマグって何?という方のために、まずは簡単にチタンマグについてご紹介します。
チタンマグはその名のとおり、チタニウム金属で作られたマグカップです。
チタニウムという金属は、加工が難しく値段が高くなりがちな反面、鉄臭さがなくて口触りが良いのが特徴です。
比較される金属としてステンレスがありますが、ステンレスマグは値段が安くてコスパが良い分、少し鉄臭さを感じます。
ステンレスマグについてはこちらで詳しくご紹介していますので、ご参考にしてください。
リンク : 直火可能で便利!チタンではなくステンレスのマグを買ってみた
チタンマグにはシングルとダブルがあります。
構造については後ほど詳しく説明しますが、特徴を簡単に言うと、
- シングルマグは価格が安いが保温力は低い
- ダブルマグは価格が高く、保温力も高い
という違いがあります。
サイズは300ml、450ml、600mlの3種類がありますが、想定の使い方がある場合を除いて、450mlが無難に使いやすいです。
シングルとダブルの見分け方は、口元の部分を見るとわかると思います。
これがシングルマグです。
口元部分が少し膨れ上がっているのが分かりますでしょうか。
(個人の趣味ですが、デザイン的にはシングルの方が好みです。)
続いて、これがダブルマグになります。
ダブルの方は口元の部分がほぼ真っ直ぐになっています。
なお、デザインも違うように見えますが、デザインは限定モデル等によっても変わってくるので、デザインで覚えない方が良いです。
後述しますが、シングルマグだと思って、誤ってダブルマグを火にかけてしまうリスクを回避するためです。
シングルとダブルの構造の違い
シングルマグとダブルマグ、一体何がどう違うのでしょうか。
結論から言うと、マグカップ自体が一重構造になっているか、二重構造になっているか、という違いです。
マグカップの「シングル」「ダブル」と言うのは、一重構造になっているか二重構造になっているかを表す言葉だったんですね。
文字だけではあまりイメージが湧かないと思いますが、写真を見ていただけるとすぐに分かると思います。
これがシングルマグの断面で、
画像出典 : スノーピーク
これがダブルマグの断面です。
画像出典 : スノーピーク
高い保温力が求めらる水筒や、雪国の窓ガラス等はダブルマグのような二重構造になっています。
つまり、高い保温力を求める方はダブルマグがおすすめです。
ただし、シングルよりも多くのチタニウム金属を使用していますので、当然値段も大きく違ってきます。
二倍とまでは言わないものの、それに近い値段差があります。
また、ダブルは直火厳禁なので、購入の際はその点も考慮する必要があります。
スポンサーリンクダブルマグはは直火厳禁。シングルは自己責任で。
実際にアウトドアショップやスノーピークストアでチタンマグを手に取った方は分かると思いますが、シングルマグもダブルマグも、どちらも注意書きには「直火にかけないでください。」と書いてあります。
注意書きには若干の表現の違いがあり、ダブルの方は強い表現で「破裂の恐れがあるから火にかけるな」と書いてあります。
もちろん、「直火にかけるな」と書いてある以上、直火にかけてはいけないというのが結論なのですが、自己責任で行うとしても、ダブルマグは絶対に直火にかけてはいけません。
先程、構造の違いを説明させていただきましたが、二重構造の間には何が入っているかご存知でしょうか。
「何も入っていない」と言うのは正解であり、不正解でもあります。
なぜなら、空気が入っているからです。
空気は温度が高くなると膨張する性質があります。
これをシャルルの法則と言い、温度を1℃上昇させると、気体の体積は1/273膨張します。
チタニウム金属も熱膨張をしますが、気体の方がはるかに膨張します。
そう、ダブルマグに書かれている「直火にかけると破裂する恐れがある」というのは、二重構造内部の空気が膨張し、チタンの壁を突き破って破裂する恐れがある、ということです。
一重構造になっているシングルマグはその恐れがないので、構造上は直火にかけても問題ありません。
(チタニウムは火にかけてはいけない金属ではありません。)
スノーピークがシングルマグも直火禁止にしているのは、おそらく、
- 持ち手や口の部分が熱くなりすぎて火傷する恐れがある
- ダブルマグを間違えて加熱してしまう恐れがある
が要因であると推測されます。
実際に破裂することはなくても、怪我をする危険性は十分あります。
まとめ。構造を理解して安全に使おう
スノーピークのチタンマグは、シングルバーナーにかけているところを良く写真等で見かけます。
製品の注意事項には、「直接火にかけないように」と書かれているので、直火はNGというのが結論です。
しかし、構造上の話をすると、絶対に直火にかけてはいけないダブルマグと、直火にかけても問題ないシングルマグがあります。
なぜ火にかけていけないか、という知識は他のギアにも応用できますので、覚えておいて損はありません。
たとえ直火NGと書いていなくても、二重構造になっているマグは火にかけてはいけません。
特に外国製のマグを買った場合は、注意事項が読めないこともあります。
注意事項に書いていなくても、正しい知識を持ち、安全にキャンプを楽しみましょう。