キャンプ好きな方であれば、一度や二度、強風下でキャンプをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
私は結構海沿いのキャンプ場が好きなので、強風下でキャンプをしたことは何度もあります。
しかし台風の時はもちろんですが、強風が吹き荒れることが分かっているのであれば、キャンプを中止にするのも選択肢の一つです。
とは言え、多くのケースはキャンプ場に到着してから風の強さに驚くことになります。
また、日本海側のキャンプ場では年中強風な場所もありますので、安全を最優先に考えながら、対策を講じてキャンプを楽しむことが大切です。
自然相手なので突然風が強くなることもある
まずはじめに、元々強風であることが分かっている場合は、予定を変更(リスケ)することを検討しましょう。
強風下のキャンプはケガをする可能性もあるため、非常に危険です。
多少の雨であればキャンプに行くし、大雨であればキャンプを中止する方は多いと思います。
しかしキャンプにおいては、雨よりも風の方が強敵です。
風邪の時も雨のキャンプと同様、多少の風ならキャンプを決行するが、強い風ならキャンプを中止する、という気持ちでいた方が良いです。
とは言え、実際山のキャンプ場なんかは天気も変わりやすいですし、海沿いのキャンプ場はいつ行ってもそれなりに風が強かったりします。
そんな状況であっても、「風は危険」ということを念頭に置きながら、ケガをしないよう注意することが必要です。
強風下のキャンプの注意点と対策
強風のキャンプは想像以上に危険です。
また、私の実体験上、キャンプ道具が壊れるのは風の強い日が多いです。
キャンプギアに想定以上の負荷がかかったり、風のせいでうまく扱えなかったりするためだと思います。
ランタンが落下したり、テントが破れたり・・・と、これまで様々な経験をしました。
そのため、私が考える強風キャンプの注意点と対策を書いていきます。
私の実体験に基づくものなので、これだけでは足りないかもしれませんが、基本的に間違ってはいないと思うのでご参考にしてください。
①ゴミや袋が飛ばないよう、片付けるかペグダウンしておく
強風の時にまずに注意するのが、物が飛んでいかないようにすることです。
重いキャンプギアはそう簡単に飛んでいくことはありませんが、買い物時のビニル袋や、キャンプ道具が入っていた収納袋は簡単に飛んでいきます。
そのため、飛んでいきそうなものは都度車の中やテントの中に片付けるか、地面にペグダウンして飛ばないようにしておきましょう。
ペグはそれほど強いものではなく、100均のレザーシート杭でも問題ありません。
リンク : グランドシートは固定する派?100均の杭で簡単ペグダウン
私は実際、車のトランクに入れておいたシュラフの袋を、撤収時に飛ばしてしまったことがあります。
車の中に入れておいても、撤収時に開けたトランクから飛んでいってしまうこともありますので、細心の注意を図るようにしましょう。
②テントやタープが倒壊しないよう、ガイロープをしっかり張っておく
ものが飛ばないように対策をしたら、次はテントの倒壊防止の対策をしましょう。
ガイロープ(テントについているロープ)を張らない人もみかけますが、ガイロープは強風対策の他、結露対策や換気にもなりますので、風が強くなくても張っておくことをおすすめします。
特に風の強い日はテントだけでは耐えられずに倒壊する危険性がありますので、ガイロープは張っておくようにしましょう。
ただし、一か所のロープで強く支えすぎてもテントが破れる原因になりますし、支える力も弱くなるので、なるべく多くの支点からガイロープを張り巡らせるようにしましょう。
ペグが抜けたり曲がったりしてしまう場合は、一つのガイロープに複数ペグを打つことも必要です。
ちなみに私は、強風の時にガイロープを強固に張ったところ、テント自体が破れてしまったことがあります。
不可抗力な部分もありますが、大人しく撤退しておくべきと反省させられました。
③火の粉が飛び散るので焚火は控える
キャンプの醍醐味は「焚火」としている人も少なくないと思います。
パチパチと燃える炎を見ていると、「1/fのゆらぎ」で心癒されます。
リンク : 1/fのゆらぎとは?自然に身を置き、焚き火や音楽でリラックス!
しかし強風の日は特に、火の扱いには要注意です。
焚火の火の粉が隣のテントに飛んでいくこともあれば、焚火台が倒れて家事になる危険性もあります。
適度に弱い風であれば、無風状態よりもよく燃えて美しい焚火になるかもしれません。
しかし強風下での焚火はリスクの方が高いため、控えておくことをおすすめします。
④テントやタープの中で火を使う時には細心の注意を
火の扱いに注意しなければいけないのは、焚火だけではありません。
テントやタープの下で火を扱う場合も、風が強い日には細心の注意を払う必要があります。
シングルバーナーでちょっとした料理を作るだけであっても、急にテントやタープが倒れ、大惨事になることもあります。
テント自体が倒れなくても、キャノピーが倒れたり、タオルや収納袋等が飛んでいったりして、火災に発展する可能性もあります。
火の扱いに注意するのは普段も同じですが、強風の日には特に注意しつつ、可能な限り控えるようにしましょう。
⑤就寝時にはタープを倒しておく
これは「必ずそうする」というわけではありませんが、私の場合、風の強い日にタープを張った際には、就寝時にはタープは倒しておくようにしています。
▲写真は設営中のテントですが、イメージとしてはこんな状態でペグダウンしておきます。
タープの下にあるものは就寝前に極力テントや車の中、フライシートの下等に片付けます。
翌日また建てるのが楽になるよう、タープのポールだけを倒し、そのままタープ本体を地面にペグで固定します。
ヘキサタープのような簡単なものであれば片付けても良いですが、タープの種類によってはポールだけ倒して後はそのまま残しておくと、翌日ポールを立てるだけでまた設営することができます。
人がいるうちはタープが飛んでいっても対応できますが、夜中にタープが崩れ、物が散乱している、というケースは多々ありますので、就寝前に対策を取っておくと良いと思います。
スポンサーリンク撤退する勇気も大切
風が強い日には、キャンプを諦める、という選択も必要です。
折角休みを作って、遠くまでドライブしてきたとなると、どうしてもキャンプをしたい気持ちも分かります。
しかしそれによってケガをしてしまっては元も子もありません。
台風が来ていれば中止にする人も多いと思いますが、実際台風並みに強風が吹き荒れることもあります。
なかなか苦しい決断ではありますが、特にファミリーキャンプの場合、「撤退」の判断ができるのは親しかいません。
風の強い日だけに限らずですが、自然の中で危険を感じたら、諦めて撤退する勇気を持つようにしましょう。
特に冬キャンプは気をつけよう
冬キャンプで強風の日は、夏のキャンプよりも危険がたくさんあります。
第一に、空気が乾燥していて火が燃えやすいことが挙げられます。
そして同時に、冬キャンプは薪ストーブや石油ストーブ、焚火等、火を使うシーンも多くなります。
これに強風が加わることにより、さらに火災の危険性は高まりますので、冬キャンプの場合は特に注意が必要です。
以前もテントが火事になり、1人がお亡くなりになる事故がありましたが、火の扱いには本当に注意が必要です。
強風でキャンプを諦めた場合のプラン
風が強いから撤退!といっても、なかなか撤退を決断できるものではありません。
平日は仕事に追われ、ようやく作った家族の休みなのに、強風だから今日は帰ります、また来ます、というのはそうそう割り切れるものではないですよね。
命や安全と天秤にかけ、まさに「断腸の思い」で決断するしかありません。
しかし強風でキャンプを諦めたからと言って、絶対にそのまま帰らなければいけない、というわけではありません。
実際のところ、風が強いなら強いで、他にやることもあるのです。
コテージやバンガローを借りる
一番のおすすめは、キャンプ場にあるコテージやバンガローを借りることです。
キャンプ場によってはテントサイトの他に、コテージやバンガローを設置しているところもあります。
当日の予約状況によりますが、管理人や受付に相談すれば、そのままコテージやバンガローに泊まることもできる場合もあります。
普段はキャンプばかりの人でも、たまにコテージやバンガローに泊まると楽しいものです。
強風で断念するのではなく、折角の機会だからコテージやバンガローに泊まる、というのも選択肢の一つです。
ちなみに余談ですが、コテージとバンガローの違いは以下の記事で解説していますので、ご参考まで。
リンク : コテージ、バンガロー、ロッジ、キャビンの違いを分かりやすく解説!
車中泊を楽しむ
もう一つの選択肢は、車中泊を楽しむことです。
車のサイズにもよりますが、大きな車であれば、マットを引いてシュラフを出して、車中泊を楽しむこともできます。
キャンプ道具があれば、車中泊に必要な大体の道具が揃っています。
ご飯や温泉は近場にドライブし、宿泊は予約したキャンプ場で車中泊を行うのです。
風が弱くなったらテントを張ってキャンプを再開しても良いですし、雰囲気を楽しむだけでも結構楽しめます。
トイレにいくついでに星を眺めるだけでも、実は意外と楽しめたりするのです。
近くの宿に宿泊する
他の方法としては、キャンプ自体をやめ、近くのホテルや旅館に宿泊することです。
実際この方法を取ったことはありませんが、たとえば楽天トラベル等で「現在地の近く」「本日宿泊」にして検索すれば、簡単に空いている宿を探すことができます。
キャンプ場代は返ってこない場合がありますが、お金で済むのであれば諦めるのも一つの手段です。
折角休みを移動してきたので、別の方法で思い出作りを行うのもありですね。
スポンサーリンク感想、まとめ。安全第一でキャンプを楽しもう!
キャンプは自然の中で楽しむものなので、天候の影響をもろに受けます。
雨であれば天気予報も目に付くので分かりやすいですが、風は意外と見落としがちです。
しかし実際のところ、キャンプにとっては雨より風の方が厄介だと思います。
雨であればまず雨具を着てタープを張って、その下で少しずつ準備をすれば、それほど濡れることなく設営することも可能です。
設営さえ終わってしまえば、寧ろ雨の中のキャンプは楽しいものです。
(もちろん、記録的な豪雨は除きます。)
しかし風の場合は設営も大変ですし、設営後も不安定です。
中には風が好きな方もいるかもしれませんが、私個人的には、雷や雹に匹敵するくらい、風は嫌な天候な気がしています。