多くのキャンプ場には、テントサイトの他に、コテージやバンガローといった宿泊施設が建っていることがあります。
キャンプをする方は何度も実物を見ているかと思いますが、馴染みのない方にとっては何が何やら、という状態だと思います。
何となく木で作られた小屋を思い浮かべる方は多いと思いますが、それぞれの違いをご存知でしょうか。
【結論】コテージ、バンガロー、ロッジ、キャビンの違い
細かい違いや語源については後から書いていくので、まずは結論から書いていきます。
なお、明確な定義というよりも、日本においての「使われ方の違い」として読んでいただければと思います。
※価格は場所によって大きく異なるので、あくまで目安程度です。
【コテージ】
電気、水道、トイレ等の設備が全て揃った木造の家。
簡単に言うと、大自然の中にある家を一棟丸々借りると思えばいい。
(目安価格 : 一棟20,000円〜)
【バンガロー】
最も簡素な小屋。
ほとんどの場合で電気は通っている。
布団は有料でレンタルする場合もあるので要確認。
頑丈なテントを張るようなものだが、エアコンがついている場合も多く、テントよりも快適に過ごせる。
とにかく安く済ませたい場合もバンガローがおすすめ。
(目安価格 : 一棟5,000円〜)
【ロッジ】
バンガローよりも少しグレードが高い小屋。
バンガローと違い、電気だけでなく水道が通っている場合も多いので、簡単なキッチンやトイレが設置されている場合も多い。
ロッジはバンガローより高いグレードを指すことが多いが、現在は使いわけは曖昧になっており、バンガローの意味でロッジを使っている場合もあるので注意。(水道がない場合もある)
(参考価格 : 一棟10,000円〜)
【キャビン】
ロッジとほぼ同グレードの小屋。
現在、「キャビン」という名称を採用しているキャンプ場は少ない。
ロッジ、キャビンあたりの使い分けは非常に曖昧で、言葉の響き等から、オーナーが趣味で決めている場合が多い。
(参考価格 : 一棟10,000円〜)
それぞれの語源や特徴を解説
コテージ、バンガロー、ロッジ、キャビンの大まかな違いは上記で説明させていただきました。
ここからはウンチクのような知識を含めて、その特徴を解説させていただきます。
これからコテージやバンガローを借りる予定の方は、ぜひこの知識を夜の宴会で披露してください。
※語源等は諸説あります。
コテージ
画像出典 : 那須ログコテージ フィンランディア
コテージは、建築学的には「コテジ」と言います。
中世において、農奴を意味したコッター(cotter)が語源となっており、元々は農民や労働者が住む家でした。
現在のアメリカでは、コテージは田舎にある別荘のことを指します。
大都市で労働するサラリーマンが、週末に大自然の中にある別荘、「コテージ」に行き、疲れを癒すのです。
広大な土地を持つアメリカとは言え、当然ながら別荘を持てるのはそれなりの富裕層になります。
「大自然の中に、一通りの生活機能が揃った大きな建物を建てる」と言った意味が、今日の日本のコテージにも繋がっているのかもしれません。
日本でもコテージと言えば、そこで暮らしができるような設備が揃った建物のことを言います。
宿に泊まるのと違って食事は出てこないので、バーベキューしたり、料理したりする楽しみがあります。
バンガロー
画像出典 : べるが
バンガローは、南アジアのベンガル地方発祥という説が有力です。
ベンガル地方は、インドの西側やバングラデシュの辺りを指します。
「バングラデシュ」という言葉に「バンガロー」の響きを感じ取った方もいらっしゃるかもしれません。
ヒンディー語で、「バングラ」とは「ベンガル風の」という意味です。
この「バングラ」が転じて、バンガローになったという説が最も有力とされています。
その後世界各国に広がっていき、1880年代からアメリカで、避暑地の別荘として建てられるようになりました。
やはり日本へはアメリカから流入するものが多いですね。
しかし、諸外国でのバンガローは日本のそれとは異なります。
画像出典 : 不動産流通研究所
上記はシカゴのバンガローです。
日本のバンガローと比較するとかなり豪華、というか普通に暮らすための家です。
日本で言うところのバンガローは、下記で紹介する「ロッジ」や「ハット(hut)」と呼ばれる場合が多いです。
ロッジ
画像出典 : 斑尾高原 どんぐり村
ロッジはラテン語で「小屋」を意味する言葉です。
主に山小屋を指すことが多いです。
日本ではバンガローよりもグレードが高い場合が多いですが、上述のとおりアメリカでは全くの別ジャンルです。
英語では、「lodge」という動詞として使われることもあり、「一時的に宿泊する」という意味になります。
つまり、ロッジは住むところではなく、滞在する場所である、という意味合いがあるようです。
そのため、別荘等として使われるコテージよりもグレードが低い言葉と言えるでしょう。
キャビン
画像出典 : 花の森アートキャンピア
キャビンも同様に「小屋」という意味で使われます。
しかし、これは日本語でも同様ですが、船の「客室」等を表す場合があります。
この場合の使い方では、キャビンは部屋であって家ではありません。
こちらもロッジ同様、住む場所ではない、というイメージが強いことでしょう。
なお、日本ではバンガローとロッジの間のグレードで使われることが多いですが、この辺りはほぼオーナーの塩梅です。
ただ、最近は「キャビン」を採用しているキャンプ場はほとんど見ません。
あまり浸透した言葉ではないので、インパクトを考慮してか、もしくはオーナーの趣味である場合が多いでしょう。
スポンサーリンクコテージ、バンガロー、どれに泊まればいいの?
さて、色々解説しましたが、結局どれに泊まれば良いのでしょうか。
もちろん目的によって違いますが、メンバーが快適性を求める場合はコテージにしておけば間違いありません。
コテージであれば宿に泊まるのとあまり変わらなく、更に外に出れば大自然を味わえます。
インドア派の人にアウトドアの楽しさを伝えたいような時も、最初はコテージの方が良いでしょう。
コテージに泊まって、ハンモックや焚き火台、バーベキューグリル等を持っていけば、それなりにキャンプの楽しさを伝えられると思います。
スペースがあればタープを張るのもアリだと思います。
また、キャンプやアウトドアが好きな方、とにかくコストを抑えたい方は、バンガローがおすすめです。
バンガローは完全に寝るだけの施設ですが、外にいる時間が長ければ全く気になりません。
また、バンガローはオーナーの手作りの場合もあり、その風情もキャンプ好きには堪りません。
ロッジとキャビンについては、コテージに泊まるほどではないけど、ある程度快適に過ごしたい、という方におすすめです。
ただし、「ロッジ」と「キャビン」はオーナーの感覚で決められており、キャンプ場によって設備が異なりますので、ホームページ等でよく中身を確認してから予約しましょう。
なお、バンガローとロッジとキャビンが一つのキャンプ場に建てられていることはほとんどありません(筆者は見たことがない)ので、コテージかこの3つか、どちらかを選ぶことになります。
まとめ。それぞれの違いを理解して、キャンプ場を満喫しよう!
キャンプ場はテントを張るだけでなく、コテージやバンガローに泊まることもできます。
基本的には「コテージかその他か」といった選択になると思います。
旅館のような感覚で使いたいのであれば、コテージを選びましょう。
(ただし、食事は自分たちで用意する必要があります。)
反対に、「テントは張りたいけど、人数や気候の関係で難しい。」という場合や、「学生でお金がないから、とにかく低価格で楽しみたい」という場合等はバンガローを選ぶと良いでしょう。
可能であれば、一度色々なコテージやバンガローに泊まってみることをおすすめします。
コテージに宿泊した経験がある人は多いかもしれませんが、あまりキャンプ場に行かない方はバンガローには泊まったことがないと思います。
コテージとバンガロー、どちらがいい!ということに正解はなく、完全に個人の趣味の領域です。
そのため、まずは両方の施設に泊まってみてください。
バンガローにハマる人もいれば、やっぱりコテージがいい、となる人もいると思います。