はじめに、この記事は実際に山を買ってキャンプをしている人の話ではありません。
そういう経験をした人を探してる人は申し訳ありません。
また、法的根拠等についても何ら保証するものではない個人のブログですので、あくまで暇つぶしの読み物としてお考えいただければと思います。
昨今のキャンプブームの影響もあり、繁忙期にもなると、キャンプ場に行くと人、人、人。
都会の喧騒を忘れたいのですが、なかなかそうもいきません。
キャンプ場でもない山中で野営するという選択肢もありますが、これについてはかなりグレーな話であり、また環境破壊に直結するものですので、野営する人が増えれば確実に法整備がされます。
今はグレーゾーンでも、そこら辺でキャンプをする人が増えまくった状況を想像すれば、法律により規制されるのは自明の理です。
では、誰もいない自分だけの空間でキャンプをするにはどうしたら良いか。
そう、買ってしまえばいいのです!
山を買ったらプライベートキャンプ場にできるのではないか?
山を相続しても邪魔になるだけ。
山は資産価値が低く、使い道もないので荷物になるだけ。
そんな話をよく聞きます。
しかし広い土地さえあればそこで楽しめるのがキャンパーです。
もし自分の山があったら、そこにテントを張ってキャンプをすれば、それこそ完全プライベートな山になるのではないでしょうか。
しかも山なら安く買えるので、もしかして私のような庶民でも手が届くのではないでしょうか。
維持費はそれほどかからないと聞くが・・・
山の維持費は年間でも十数万円程度と聞きます。
もちろん山の広さや価値によって全然違うのでしょうが、いずれにせよ広さと比較すると安い、というのが一般的です。
しかし実際に山を持っているわけではないので、例えば犯罪や不法投棄、山火事等、様々なリスクがあると思います。
本当に山を一つ持ってみてどうかという点は分からない部分が多すぎるので、ここでは山を買うコストについては深く検証しません。
しかし現に日本には山を所有する人はたくさんいます。
私の友人でも、普通に働いている一般人で山を所有している人がいるので、庶民には絶対に無理!という話ではないと思います。
山ごと買ってしまえば楽器の演奏の演奏も宴会も自由!
もし完全プライベートキャンプ場が実現出来たとすると、やはり魅力は自由と解放感でしょう。
キャンプ場はどこまでいっても商業施設であり、公共の場です。
互いに譲り合い、マナーを守ってこそ楽しめる場所です。
周囲に迷惑になるような音楽をかけたり、夜中まで騒ぐことはできません。
しかし自分の山で、完全プライベートな空間だったらどうでしょうか?
楽器を演奏しても良いですし、好きな時に来て、眠くなるまで焚き火を楽しんで、好きな時に帰れば良いのです。
これほど自由なことはありませんよね。
スポンサーリンク課題①:焚き火ができるのか?(消防法)
しかし課題はいくつかあります。
たとえば、山の中で火を使っても良いのでしょうか?
消防法の関係で、河川敷等で焚き火をしていると通報されると聞いたことがあります。
この点について、消防法や軽犯罪法では、「相当の注意」をして消火の用意がしてあれば問題ないと書いてあるようです。
なんともファジーな表現ですよね。
個人で消火器を持っていれば焚き火をしても良いのでしょうか?
それとも結果論として、どれだけ準備をしていようと火事になれば消防法違反、ということになるのでしょうか。
そこら辺もよく調べなければなりません。
また、都道府県の条例等でも規制されている場合もあるようで、確認が必要です。
しかしキャンプ場は焚き火やキャンプファイヤーをしても良い場所であるのは周知の事実なので、やはり管理体制が重要なのでしょう。
消防車が来るリスクはる
仮に、行政等に確認を取って、自分の山であれば焚き火も問題ないことを確認したとしましょう。
しかしそうであっても、山から煙がもくもくと上がっていれば、消防に通報されるリスクがあります。
いや、「通報される」というと、まるで被害者であるかのような表現になってしまいますね。
通報されるのではなく、通報させてしまう(迷惑をかけてしまう)リスクがあります。
遠くから見てどれくらい煙が見えるかにもよりますが、いずれにせよ火の扱いはしっかりと確認し、慎重に行わなければなりません。
課題②:トイレや炊事場はどうするか
もう一つ大きな問題はトイレと炊事場です。
炊事場は水を大量に汲んで来ればまだ良いですが、トイレだけはどうにもなりません。
自分の山なので肥料として埋めてしまうのも良いかもしれませんが、ワイルドすぎてキャンパー(というかサバイバー?)以外をゲストに呼ぶことはできません。
折角なら家族や友人等、大勢で使いたいので、簡易トイレでもいいので必要になってきます。
しかし簡易トイレの場合、排泄物の処理に業者を呼ばなければなりませんが、私有地の山奥までそんな業者を呼んだら、それこそコストがかかります。
また、設備の維持費もかかりますので、簡単な話ではありません。
もちろん、水道を引くのは相当なお金がかかるので、これをやろうとすると私のような凡人の立場では一気に現実離れしてしまいます。
もしキャンピングカーがあれば、乗り入れて使うことができるかもしれません。
コツコツ開拓したら車を乗り入れられるくらいにはなるような気がしますが、そもそも自分の山を持ち、キャンピングカーを維持して遊ぶことができるのはかなり限られた人間になってしまいます。
あとは防災用品兼キャンプ用品として、ロゴスから簡易トイレが出ているので、これを使用するか、ですね。
画像出典 : LOGOS
しかしまぁ、結局最後処理しないといけないんですけどね・・・。
スポンサーリンク
課題③:そもそも毎回同じ場所だと飽きないのか?
根本的な話ですが、そもそも毎回同じ山・同じ場所でキャンプをするとなると、さすがに数年で飽きるのではないでしょうか。
しかし折角山があるのに行かないのは勿体ないですが、限られた時間なので色々な場所でキャンプしてみたい、というのもありますよね。
これは別荘と同じで、別荘を維持するお金があるなら、高級ホテルに泊まった方が良いのではないでしょうか。
しかし別荘を持っている人の答えは簡単で、ホテルにも泊まるし、別荘にも泊まるのです。
行きたい時に予約もなく好きなだけ行けるように、好きなところに建てたのが別荘であって、別のところに旅行に行きたい場合は普通に旅行に行きます。
お金持ちの方の感覚は、勿体ないのは時間の方であって、お金の方ではないんですよね。
もしこの感覚で山を持ってマイキャンプ場とするなら、お金をかけて水道を整備したりするのもアリですが、やはり一般人の感覚から離れてしまい、一部の人しか実現できなくなってしまいます。
課題④:動物と遭遇するリスク
安く購入できる山は、当然人里から離れた場所にあります。
キャンプ地としてはそちらの方が良いのですが、動物と遭遇するリスクも高まります。
キャンプ場であれば自分以外にもたくさんの人がいて、管理棟があり、灯りも点いています。
しかし自分の山で、自分のランタンしか灯りがなく、物音ひとつしないとなると、熊等に遭遇してしまうリスクが大きくなります。
そしてそのリスクを意識した途端、暗闇が「満天に星が瞬く幻想的な空間」から、「得体のしれないものが潜む恐ろしい空間」に変わり、精神的に楽しむどころではなくなってしまいます。
課題⑤:非常用にコテージでも建てるか
自分しかいない山奥で、何があるか分かりません。
動物に襲われることもあれば、急に天候が荒れることもありますし、怪我や体調不良により動けなくなることもあるかもしれません。
そんな時に避難できる場所は必要なのではないでしょうか。
これまたお金のかかる話ですが、可能な限り、コテージやバンガローのような簡単な建物は欲しいです。
(自分で建ててしまう凄い人もいるようですが)
しかし自分の山だからと言ってむやみやたらに建物を建てて良いわけではなく、都市計画法等の各種法令により規制があります。
買った後に、実はここは建物を建ててはいけない場所でした、という話では笑えないですよね。
しかし建築可能となると、事業用として使える場所ということになり、値段も高くなる・・・ということになります。
この辺りは私もそこまで詳しくはないですが、一筋縄ではいかないことは想像できると思います。
感想、まとめ。夢はあるが課題は多い
自分の山を持って、自分だけのキャンプ場を持つというのは、想像すると希望に溢れています。
別荘と違って山なら値段も安いし、自分で設営するから土地だけあればいいし。
しかしやはりよくよく考えてみると、そう簡単な話ではなさそうです。
調べてみると、月単位等で山をレンタルするサービスもあるようなので、場合によってはまずはそこを借りてみる、というのも良いでしょう。
そこで実際に何回かキャンプをしてみて、自分が買うに当たっての課題や、また本当に買うべきかどうかを考えることができるかもしれません。
しかしレンタルと自分で購入・管理するのとでは大変さも違うと思います。
自分の持ち物であれば固定資産税も払わなければいけないですし、確定申告やら行政手続きやらの必要もありません。
私自身山を持っているわけではないので、ここには書いていない様々な手間が出てくるでしょう。
自分で山を買って完全プライベートな空間でキャンプをする、というのは、とても理想的なことのように見えますが、実際はまだまだ高いハードルはありそうです。