キャンプ人口は増え続け、最近では冬でもキャンプ特集のテレビ番組が放送されるようになりました。
「キャンプ好き」をアピールする芸能人も増え、より身近な趣味になってきていると感じています。
しかしキャンプの人口が増えることについて、複雑な思いを抱く人も少なくはありません。
特にキャンプブームになる前から嗜んでいる人にとっては、どんどん人が増えることについて、快く思っていないかもしれません。
しかし基本的には、私はもっとキャンプブームが大きくなって欲しいと思いますし、今後もこのブームが続いてほしいと思っています。
キャンプブームが再来している
日本オートキャンプ協会によると、キャンプ人口は年々増え続け、データ的にも「ブーム」となっています。
これが最初のブームではなく、第二次キャンプブームと言われており、子供の頃に家族とキャンプをした世代が大人になったから、とする説もあります。
参考記事 : なぜキャンプブームが再熱しているのか!?5つの理由を考察
確かに、民放でも真冬にキャンプ特集が放送されますし、キャンプを題材にした漫画やアニメ、youtubeチャンネルも高い人気を博しています。
何気なくテレビをつけていても、キャンプに関係する話題を頻繁に見るようになりました。
それだけキャンプは世の中に需要がある、という証拠だと言えます。
キャンプが人気になるメリット
キャンプがブームとなり、キャンプ人口が増えることは、基本的には良い事です。
簡単に言うと、人がいるところに文化は生まれ、需要があるところにビジネスが生まれるからです。
もちろんデメリットもありますが、メリットもたくさんあるため、私はそれを応援したいと思っています。
キャンプ人口が増えても、良い事なんて何もないよ!と思うかもしれませんが、いくつか思いつくメリットを挙げてみます。
キャンプ道具の値段が下がる
これまで、キャンプ道具は総じて値段が高い、というイメージがありました。
キャンプギアを作るメーカーも限られており、需要も限られているため、なかなか値段が落ちにくい環境にありました。
最近でも高いものは高いですが、それでも選択肢として格安で購入することができるようになりました。
キャンプ市場の拡大と共に、これまでキャンプ道具を作って来なかった様々なメーカーが業界に参入し、価格競争が起こっています。
それにより、一昔前よりもかなり自由にキャンプ道具を買うことができるようになりました。
もちろん、これまでキャンプ業界を支えてきた大手キャンプメーカーは厳しい戦いを強いられるわけですが、それが資本主義というものであり、企業同士の競争を経てこそ成長していくのです。
たとえば、最近ではSnow Peak(スノーピーク)はアパレルに注力し、海外販売でも大きな成果をあげています。
また、Coleman(コールマン)やLOGOS(ロゴス)の靴やカバン等はショッピングモールでも販売されるようになりましたし、街中でもColemanのリュックを背負った人を良く見るようになりました。
キャンプ業界に進出する企業が増えるのは、既存のキャンプメーカーにとっては望ましくないですが、その中で戦い、そして質を高めていくことが企業の成長にも繋がると思います。
キャンプ場が増える
キャンプが人気になると、その人口増によってキャンプ場に人が増えてしまいます。
これが従前よりキャンプを楽しむ人からすると最も懸念されることですが、これも一時的なものと考えます。
寧ろ、キャンプ場がたくさんでき、様々な自然を楽しむことができるメリットの方が大きいと思います。
近年、キャンプ場がたくさんオープンしていますが、これもキャンプ人口が増えたおかげです。
キャンプ人口が増えることによって、①ビジネス妙味が増し、企業がキャンプ場を経営し始める、②キャンプ場経営を夢見る人が増える、ということが考えられます。
①は、複数のキャンプ場をチェーン展開する企業や、夏季にキャンプ場経営を始めるスキー場が増えたことが具体例として挙げられます。
②は特に説明不要かと思いますが、Twitter等でも「キャンプ場開拓中!」というアカウントをちらほら見るようになりました。
▲先日行ったキャンプ場も、最近夏季キャンプ営業を始めたスキー場だった。
こうした動きは最終的にキャンプ場が増えることに繋がるわけですが、これもキャンプ人気が爆発し、人口が増えたからこそのものです。
イノベーションが起きる
キャンプが人気となり、人口が増えれば、当然ビジネス市場も拡大し、そしてイノベーションが生まれます。
一昔前まではキャンプ場経営も高齢化し、電話やFAXで予約、というのが当たり前でした。
しかし最近では、予約サイトがオープンし、インターネットで空き状況を確認、クレジットカードで決済、ということが当たり前にできるようになりました。
また、島や山一つ貸し切りや、ソロ専用のキャンプ場等、多様な営業形態も見られるようになりました。
需要があるところに革新が起き、進化していくのは、キャンプ業界でも同じことです。
キャンプ人気が出ればでるほど、様々なアイデアが生まれ、そして実現しやすい環境になっていくのです。
これからの「新しいキャンプ」に期待せざるを得ません。
地方創生に繋がる
アウトドアという趣味は、都会から自然の多い地域に行き、楽しむものです。
そのため、アウトドア全般的に地方創生に繋がると考えていますが、特にキャンプは「経営者」がおり、そこに仕事を生むため、より一層地方創生への効果が大きいと思います。
もちろん、釣りや登山であってもある程度お金は落としますし、経済効果から地方の活性化に繋がりますが、それは主に個人消費の話です。
キャンプであれば、キャンプ場経営によって人が移住し、そこに雇用が生まれます。
地方創生は単に観光産業として人を呼び込むのではなく、そこに仕事を生み、人流を生んでこそ、です。
そういう意味で、キャンプという業界は地方創生に貢献すると考えています。
スポンサーリンクデメリットは「モラルの低下」のみ
キャンプ人口が増えるメリットは多数ありますが、デメリットは1つだと思っています。
それは、マナーやモラルを守れない人が出てくること、です。
これは別に、新しくキャンプを始める人がマナーを守れない、と言っているわけではありません。
どうやっても一定割合はマナーを守れない人がおり、母数が増えるとその絶対数が増える、ということです。
そしてインターネット社会では、このごく少数のモラル欠如者が目立ち、割合という概念は考慮されません。
たとえば、10,000人のキャンプ人口で、10人マナーを守れない人がいるのと、1,000,000人のキャンプ人口の中で1,000人マナーを守れない人がいるのとでは、その目立つ頻度が違います。
この場合、1,000人いるモラルのない人がインターネットで「炎上」し、キャンプ業界のイメージを落としていき、それを見る頻度は前者と比較になりません。
要するに、どれだけマナーの良い人が増えようと、マナーの悪い人が絶対数で増えてしまうと、裏にいる「マナーの良い人」の数は考慮されないということです。
キャンプ人口が増えれば増えるほど、その行為は目立つようになります。
そして割合ではなく、「絶対数としての自然破壊」がそこにあることが多く、その意味でも問題があります。
私はこれが、キャンプ人気による最大のデメリットだと思っています。
自然を大切にし、マナー違反を許さない文化を醸成する
キャンパーのモラル向上のためには、そういう文化を作るしかありません。
どのような行為がマナー違反となるのか、正しい認識を作っていくこと、そしてマナー違反を許さない行動が大切です。
おそらくソロキャンプよりも、大人数で行うキャンプの方が気が大きくなりやすく、マナー違反が起こりやすいのではないかと予想します。
しかし大人数だからこそ、一人でもマナーを守れる人がいれば、周りの人たちを止められるというメリットもあります。
キャンプは複数人で行うことが多いからこそ、皆で声を掛け合えば、業界全体のマナー向上に繋がるのではないでしょうか。
スポンサーリンク感想、まとめ。マナーを守って、キャンプを業界ごと盛り上げよう!
キャンプ人気が高まり、キャンプ人口が増えていくことは、基本的には良いことだと思っています。
キャンプ業界が大きくなれば趣味としての楽しみの幅がどんどん広がっていきます。
しかしそれには一人一人が自然を大切にし、マナーを守る心が必要です。
最近はソロキャンプもブームになりつつありますが、そうは言ってもまだ主流は家族や友人と行うキャンプです。
参加者のうち誰か一人でもマナーを守ることができ、そして周りを注意することができれば、キャンパー全体のマナー・モラル向上に繋がります。
今後も衰えることなくキャンプ人口が増え続け、それでも自然は大切に扱われ、地方創生にも繋がる、という素敵な未来が待っていることを願います。