はじめに、今回の記事は私の個人的な考えであり、学術的・科学的根拠のあるものではありませんので、それを前提にお読みください。
最近流行りを見せている「冬キャンプ」と「ソロキャンプ」。
キッカケはゆるキャン△なのかどうかは分かりませんが、キッカケが何であれ、そこから人口は増え続け、定着していく可能性もあります。
しかし個人的には、冬キャンプの文化は定着しても、ソロキャンプは一時のブームに終わってしまうのではないかと考えています。
過去と比較すると一定以上のソロキャンプユーザーは残りますが、一定を境に徐々に減少し、ある程度で止まるものと思料します。
少なくとも、今後も右肩上がりに増えていく分野ではないのではないでしょうか。
理由①:キャンプ場はファミリーをターゲットとする
私がそう考える理由の一つは、キャンプ場はファミリー層をターゲットとしていることです。
理由は単純で、キャンプ場への入場料はもちろん、キャンプ中に場内で使うお金もソロとファミリーでは大きく異なるからです。
キャンプ場は、サイトには上物がなく、あってもコテージやバンガロー程度ですし、また食事の準備も必要ないので、旅館等と比較するとランニングコストは安いです。
しかしその分値段は安いため、いかに顧客一人当たりの単価を上げるかが重要になってきます。
そのため、ファミリー層を中心に呼び込み、様々な体験やアクティビティ、物販を行い、キャンプ場の中でお金を使っていただく必要があります。
アクティビティや物販こそ、利益の柱でもあるのです。
外食産業の収益構造と類似
キャンプ場経営は、外食産業の収益構造と似ているのではないでしょうか。
例えばハンバーガーの利益率は、フライドポテトやジュースの利益率よりも低いので、いかにサイドメニューを注文してもらうかがビジネスの鍵となっています。
画像出典 : マクドナルド
このサイドメニューが、キャンプであればアクティビティや物販になるのです。
そしてそのメインターゲットは、ソロキャンパーではなくファミリー、特には子供になるのです。
回転寿司はファミリーをメインターゲットとしている
たとえば回転寿司の例を見てみましょう。
回転寿司は、人気のマグロ等のネタではほぼ利益は出ません。
1皿100円で提供していますので、ほぼ原価のようなものです。
画像出典 : くら寿司
その反面、たまごや納豆巻き等の原価率は非常に低く、ファミリー(子供)を呼び込み、そういったものを食べてもらうことで経営が成り立っています。
値段の高いネタだけ食べられたら、回転寿司は1皿100円では提供できなくなります。
くら寿司のガチャガチャ「びっくらぽん」なんかは、子供のいるファミリーを呼び込むための分かりやすい取り組みですね。
ファミリーがどこの回転寿司に行くか悩んだ時に、子供が喜ぶ「くら寿司」を選んでもらいたいのです。
キャンプ場も、上物がないと言っても1回数千円の利用料だけでは薄利な商売で、やはりファミリー層を呼び込み、様々なアクティビティに参加してもらう必要があるのです。
理由②:広告宣伝もファミリー向けのものになる
人間が物事を知り、行動を起こすきっかけになるのが、様々な広告宣伝です。
電車のつり革やテレビCMだけでなく、まとめサイトや芸能人のステマなど、ありとあらゆるところで広告宣伝がされています。
比較的信頼度の高いレビューや口コミサイトであっても、それがステマではない確証はありません。
人間が何かを知るきっかけは、多くがどこかでお金が絡んでいると思って良いでしょう。
(もちろん、SNS等には純粋な情報も多くあります)
持続的にお金が循環し、経営者や関連業界がプロモーションを行うことができなければ、健全で持続的な発展は見込めません。
今回のソロキャンプブームが契機に一定数の人口は増えたとしても、今後右肩上がりに増え続けることはないのではないでしょうか。
スポンサーリンク理由③:ソロキャンプは薄利なのに多売できない
しかし、ソロキャンプはファミリーと違って一人です。
そのため、あまりスペースを使わないので、本来1家族しか使えなかった区画に、たくさんの人を呼び込むことができます。
・・・果たしてそうでしょうか?
ファミキャンよりもソロの方が道具はコンパクトですが、だからと言って単純に1/4になるようなものでもありません。
また、ソロだからと言って、他人と近くにテントを張ることを良しとしません。
ソロキャンプであっても、他人との間には一定のスペースが必要なのです。
それを加味すると、4人家族のスペースに4人のソロキャンパーが入ることはできません。
というか、ソロキャンパーのニーズとしては、1人でそのスペースを使いたいのではないでしょうか。
ソロキャンプに高い値段を払う付加価値を付けられるか
ソロキャンプが定着するためには、もっと総合的に儲かる商売でなければなりません。
ソロキャンプ自体はそのポテンシャルを秘めており、一人カラオケ専門店の「ワンカラ」の成功事例である「既存業種新形態」だと思います。
画像出典 : ワンカラ
ワンカラは、1時間1,000円を越える高級価格ですが、高音質のスピーカーとマイク、ヘッドフォンなどを装備し、より普通のカラオケよりも気持ち良く歌えるという付加価値があります。
そのため、多少高い値段を払っても、気持ちよく歌いたいと言うニーズに応え、一種のカラオケのあり方として定着しています。
ソロキャンプの場合も、ここは工夫次第だと思います。
ソロキャンプのニーズを上手く利用し、付加価値を付けて単価を上げられれば、成功を収めることもできるのではないでしょうか。
私のような乏しい発想力では、薪を使いたい放題にするとか、灯りを全て消した空間を作るとか、そういった安直な発想しかできませんが、成功者はもっと鋭く、全く違う視点から切り込んでくると思います。
そういったことができれば、ソロキャンプもヒトカラのように定着していく可能性もあります。
スポンサーリンクまとめ。ソロキャンプ専用のオプションがあればチャンスはある
あくまで個人的な考えを述べさせていただいたので、異論も反論もあると思います。
個人的な考えとしては、ソロキャンプはずっと右肩上がりに伸びていくビジネスではないとは思います。
一番の理由は、経営者側としてはソロキャンパーよりファミリーキャンパーを呼び込みたい、と言うのが本音だからです。
経営者と利用者、互いにwin-winの関係でなければ、持続的な発展は見込めないのではないかと考えます。
ここが冬キャンプと明確に異なる点ですね。
冬キャンプは寧ろ、キャンプ場としてはオフシーズンがなくなるのでウェルカムなわけです。
しかし、ソロキャンプのニーズがあるのは確実なので、うまくそのニーズに付加価値を加えられれば、右肩上がりに伸びていく可能性も有ります。
柔軟な発想を持っている方には、もしかしたら絶好のビジネスチャンスに映っているかもしれませんね。
他力本願ですが、そんな優秀で頭の柔らかい方が、キャンプの業界に多く携わってくれることを祈っています。