ペグは必ずと言っていいほど、キャンプで使うギアです。
ペグを打ったことがないキャンパーはいないと思いますが、同時に、ペグがなかなか地面から抜けない経験のあるキャンパーも多いのではないでしょうか。
ペグが固くて抜けない、なんてことはもはや日常茶飯事で、なんら珍しいことではありません。
そこで今回は、普段私がペグを抜く方法から、固くて抜けない時の対策までご紹介させていただきます。
※私のやり方なので、ご参考程度に留めておいてください。
ペグの基本的な抜き方
まず、普通にペグを抜く方法からご紹介します。
もちろん、「軍手をして手で引っこ抜く!」というのも方法の一つではありますが、わざわざブログに書くことではないので割愛します。
最近は抜くことを意識したペグやペグハンマーも出ていますので、ペグの種類によって抜き方も異なってきます。
ペグを抜きやすいような構造があるかどうかで大変さは大きく変わりますので、これから道具を買う人、買い替える人はこれらの機能があるものをおすすめします。
ペグハンマーを使って抜く
最もおすすめな方法は、ペグハンマーについているペグ抜きを使って抜くことです。
ハンマーの打面の反対側に、ペグを引っ掛けられるような構造がついています。
ペグ抜きにも様々な形がありますが、一点だけ引っ掛ける部分が伸びているペグハンマーがおすすめです。
この形状が非常に使いやすいです。
輪っか状のものでも良いですが、ペグのフック部分が地面に着いてしまっている場合、このタイプのペグ抜きではうまく抜けません。
ちなみに私はこのタイプのペグハンマーを使っています。
安いので初心者には良いですが、そろそろ買い換えたいところです。
慣れれば使い勝手もそこまで悪くないですが、やはり一点フックのハンマーが欲しいです。
しかしコールマン製だけあって、全然壊れません。笑
リンク : コスパ最強ペグハンマー、コールマン 170TA0088の感想
最近は様々なメーカーからペグ抜き付きのハンマーが出ていますので、ペグハンマーを選ぶ際は一つ意識してみてください。
ペグを使って抜く
もう一つは、ペグを使って抜くやり方です。
これも対応できるペグとそうでないペグがありますが、鍛造ペグのような大きいペグでは、ペグ自体に穴が空いているものも多いです。
その穴は同種のペグであれば横向きに刺さるようになっているので、そこにペグを引っ掛け、両手で抜きます。
穴がないタイプでも、ペグのフック部分で同じことができる場合もありますので、試してみてください。
(材質によっては滑る可能性もあるので、ご注意ください)
ペグハンマーのペグ抜きを使うよりも力が入るので、ペグ抜きで抜けなければこの方法を取るようにしています。
ガイロープを使って抜く
あとは、地面が柔らかく、ガイロープをペグダウンしている場合は、ロープごと引っ張って抜くこともあります。
固く刺さっている場合は歯が立ちませんが、手で抜けるような地面であればこの方法が一番楽です。
ペグが刺さっている方向と同じ方向に引っ張れば簡単に抜けます。
▲写真では若干左目に、上に引っ張る。
これはものぐさな方法ではありますが、素手で抜くより力が入ることもあります。
「全部ペグ抜きで抜けばいい」というのはごもっともですが、人間実際手を抜きたくなるので、意外とこういう抜き方もしてしまいます。
固い地面に刺さっている場合は、この抜き方ではガイロープの寿命を縮める場合がありますので、臨機応変に行うことをおすすめします。
ペグが抜けない原因
まるで元々地面に生えていたかのように、ペグが抜けないことがあります。
刺さったのだから抜けるだろう!と思いますが、ビクともしないことは多々あります。
その原因としては、大きく3つあると考えています。
力を入れる方向が間違っている
1つ目は、ペグを抜くときに力を入れる方向が間違っている、という可能性です。
ペグは斜めに打ち込みますので、真上に引っ張ってもうまく抜けません。
テントやタープを強風から守るためにペグを使っていますので、そう簡単に抜けないのは当然ですね。
しかしペグを差し込んだ方向と同じ方向に力を入れれば、既に空いた穴を通るだけなので、簡単に抜けます。
ペグが固くて抜けない原因としては、ペグを打ち込んだ方向に力を入れているつもりでも、違った方向に力が入ってしまっていることが考えられます。
しっかりと、ペグの方向に力を入れることを意識すれば、意外と簡単に抜けてしまうこともあります。
そもそもペグダウンの時点で固かった
最も多い理由としては、当たり前ですが、そもそも地面が固かった、という理由です。
文章だけで読むと「そんな事分かっているよ!」と思われると思いますが、実際にキャンプをしているとこれが盲点になりがちです。
なぜなら、ハンマーを使ってペグを打ち込む力と、ペグを抜く力では、ペグを打ち込む力の方が遥かに強いからです。
画像出典 : UNIFLAME
自分自身の力の入れ方は同じでも、ハンマーで叩いた方が断然大きな力が出るのです。
ペグダウンの時はそれほど力を入れなかったので、抜くときに固いと「あれ?おかしいな?」と感じてしまうのです。
キャンプに慣れてくると、ペグダウンの時に「これは抜くとき少し苦労するかもなぁ」と思いながらハンマーを振るう時が出てきます。
地面の固さが変わってしまった
これはあまり考えにくいケースですが、ペグダウンした時と抜くときで、地面の固さが変わってしまっている場合です。
「雨降って地固まる」ではないですが、湿度の変化や、近くに重い物を置いたことによっても地面の固さは変化します。
気温が急激に下がって凍結することもあり得るかもしれませんね。
まぁペグが抜けなくなるほど地面の状況が変化することはほとんどないと思いますので、おまけ程度の可能性として考えておいてください。
往々にして、強い力で叩きすぎた、というのが原因だと思います。
スポンサーリンク硬くてペグが抜けない時の対策
しかし多少地面が固くても、ペグを打たなければテントが張れません。
刺さりやすい場所を探しても見つからない場合は、ある程度強く打ち込むのは仕方ありません。
そんなこんなでペグが抜けなくなってしまった場合の対処法を書いていきます。
ただし、この抜き方をするとペグが曲がる可能性がありますので、自己責任でお願いします。
とは言え、固い地面に無理矢理ペグを打ち込んだ場合、既にペグダウンの時には曲がっている可能性があります。
てこの原理で回す
まっすぐ引っ張っているのにペグが抜けない場合、ペグを動かし、ペグと地面の間に隙間を作ってあげると良いでしょう。
固く埋まっている場合は手では動かせませんので、てこの原理を使います。
(ペグの種類によってはこの方法は取れません)
ペグのフック部分、もしくはペグ抜き用の穴にもう一本のペグを通します。
てこの原理を使うので、短めに刺しておき、残りの長い部分を持ってぐりぐりとペグを回します。
ペグを回すことにより、ペグと地面との間に隙間ができるので、抜けやすくなります。
ペグを抜く方向に力を入れながら回していくと、より抜けやすくなります。
なお、この方法に限った話でなく、ペグを扱う時は軍手をすることをおすすめします。
ペグハンマーで叩く
最終手段に近いですが、どうしても抜けない場合は、ペグハンマーでペグ自体を叩きます。
ペグのフック部分をペグハンマーで叩くと、ペグが回って抜けやすくなります。
▲フック部分を前後から叩いて、少しずつ回していく。
叩く場所を間違えると簡単にペグは曲がりますし、フックの部分をキチンとたたいていても曲がることがあります。
それくらい、ハンマーを使って叩く力は大きいのです。
とは言え、どんな手を使っても動かないような固いペグに対しては、最終手段として持っておくのはありだと思います。
抜けないからと言って、ペグを置いて帰るのは厳禁
当たり前ですが、ペグが抜けないからと言って、ペグをそのまま置いて帰るのは絶対にやめましょう。
ペグを置いて帰れば環境破壊に繋がりますし、次の利用者や通行人が躓いてケガをする可能性もあります。
では、どうしてもペグが抜けなかったらどうすれば良いのでしょうか?
答えは単純で、頑張るしかありません。
でもご安心ください、ペグは絶対に抜けます。
いくらハンマーで強い力が加わっていると言っても、所詮は人間の力で出せるパワーが限界です。
機械の力で押し込んだわけでもありませんし、セメントを流し込んだわけでもありません。
人間がハンマーを使って打ち込んだだけであれば、頑張れば絶対に抜けます。
私も心が折れかけるくらい固いペグに出会ったことがありますが、30分以上格闘した末、無事に抜くことができました。
スポンサーリンクサイト選びも重要
ペグを抜けやすくするための工夫は、ペグダウンの時から既に始まっています。
フリーサイトの場合は特にですが、場所によって地面の固さは異なります。
設営する場所を決める前に、地面の固さを確認するのはとても有効です。
フリーサイトで場所を選ぶ際は景色やトイレからの距離等に気を取られがちですが、地面の状況は大切な要素の一つです。
地面の固さだけでなく、水はけの良さや凹凸等も確認しながら場所を決めるようにしましょう。
基本的には、地面の固い場所に打ち込まなければ、ペグ抜きで苦労することはそれほどありません。
ペグダウンする場所を選ぶ
区画サイトの場合、どうしようもなく固い地面に打ち込まなければいけないこともあります。
有料のキャンプ場はそこまで固い地面のサイトはないですが、無料キャンプ場で空き場所がないような場合も、どうしようもなく地面が固い場所に設営せざるを得ないこともあります。
そんな時でも、少しでも地面が柔らかい場所を選んでペグを打ち込むようにしましょう。
地面の固さは地中に埋まっている石等によっても異なるので、10cm横にずらしただけでも大きく変わることがあります。
ガイロープの場合は自在金具で長さ調整ができるので、地面の様子を見ながら少しずつ場所を動かし、可能な限り柔らかい場所を選ぶようにしましょう。
「どこにペグを打っても地面が固くて、場所移動もできない」という状況は、今までのキャンプ人生の中でも1回しかありません。
とある無料キャンプ場でしたが、あそこまで固い地面だと、もはやキャンプに向いている場所とは言えないかもしれません。
感想、まとめ。ペグが抜けなかったことは一度もない
私はこれまで一度、本当に心が折れそうになるくらいペグが抜けないことが一度だけありました。
ペグダウンの時も固かったのですが、やはりハンマーの力だけあって、設営は何とか行えました。
しかしいざ抜こうとすると、ペグがビクともしませんでした。
上記でご紹介したように、地面に刺さったペグをハンマーで叩きながら抜こうとしましたが、それでもほとんど動かないくらい、ビクともしませんでした。
しかしそれでも、最終的には全てのペグを抜いて撤収しました。
その時は友人と3人でキャンプをしていましたが、みんなで協力して、1本ずつ時間をかけて抜きました。
その時学んだことは、思ったよりハンマーを打ち込む力は強いということと、諦めなければ必ずペグは抜けるという事です。
どれだけ固くても、どれだけ疲れていても、地面にペグを放置せず、綺麗に片づけて帰るようにしましょう。
※最後に繰り返しになりますが、自己流の方法も含まれていますので、一部非効率な方法があるかもしれませんのでご了承下さい。